ごとうなみの作品は、描くイメージのなかから出来るだけ余分な要素をそぎ落とし、ある種のストイックさをまといながらも、隠しきれないイメージが、画面に豊かに表れている。

本展では、久しぶりに「人」を描いてみよう、と言っている。
人の「心」、人の「想い」、そして人の「感情」。
彼女が描く世界の中に、それらがどのように表れるのか。

目にする絵画に作家のあらたな地平が垣間見えることは、私たち鑑賞者にとってかけがえのない体験である。
それをじっと待っていたいと思う。
 

制作手法について：
油は、市販のワニスを基に粘度を調整しながら自作しています。

油絵の具は、顔料と練り油によって重さが変わるので
その都度、画布に差す濃度を変えています。
 
薄く色を引くこともありますし
濃く溶いた色を落とすこともあります。
 
絵の具と、溶き油の割合で
色が浮かんできたり、沈んでいったり。
 
また、顔料によっても、透明や不透明があり
重ねられた絵の具の透明差と
油に溜まる光の反射によって
絵、全体の色と光沢が生まれてきます。